2010年4月に連続ドラマとしてスタートした東野圭吾原作の「新参者」シリーズ。
阿部寛演じる日本橋署に異動してきた刑事・加賀恭一郎が、
謎に包まれた殺人事件の真犯人を探すというミステリー要素と、
事件の裏に隠された人の心の謎を解くという
ヒューマンドラマ要素がこれまでにない“泣けるミステリー”として大きな話題に。
2本のスペシャルドラマ「赤い指」「眠りの森」、
そして映画『麒麟の翼 ~劇場版・新参者~』を経て、
遂にシリーズ完結作『祈りの幕が下りる時』が映画化される。
事件の鍵を握る美しき舞台演出家・浅居博美を演じるのは松嶋菜々子。
そして監督は「半沢直樹」、『私は貝になりたい』を手掛けた福澤克雄。
重厚かつ緻密な演出でシリーズに新たな風を吹かせる。

東京都葛飾区小菅のアパートで女性の絞殺死体が発見される。
被害者は滋賀県在住の押谷道子。
殺害現場となったアパートの住人・越川睦夫も行方不明になっていた。
やがて捜査線上に浮かびあがる美しき舞台演出家・浅居博美(松嶋菜々子)。
しかし彼女には確かなアリバイがあり、捜査は進展しない。
松宮脩平(溝端淳平)は捜査を進めるうちに、
現場の遺留品に日本橋を囲む12の橋の名が書き込まれていることを発見する。
その事実を知った加賀恭一郎(阿部寛)は激しく動揺する。
それは失踪した加賀の母に繋がっていた――。

加賀恭一郎“最大の謎”がついに明らかに。

  • [加賀恭一郎]警視庁日本橋署刑事
    阿部 寛あべ ひろし
    1964年6月22日生まれ。神奈川県出身。
    〈 主な映画出演作品 〉
    『トリック劇場版』シリーズ(02・06・10・14)、『自虐の詩』(07)、『隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS』、『歩いても 歩いても』、『青い鳥』(08)、『チョコレート・ファイター』(09)、『テルマエ・ロマエ』シリーズ(12・14)、『メモリーズ・コーナー』(13)、『柘榴坂の仇討』、『ふしぎな岬の物語』(14)、『エヴェレスト 神々の山嶺』、『海よりもまだ深く』(16)、『空海―KU-KAI―』、『北の桜守』、『のみとり侍』(18公開予定)
  • [浅居博美]事件の鍵を握る美しき舞台演出家
    松嶋菜々子 まつしま ななこ
    1973年10月13日生まれ。神奈川県出身。
    〈 主な映画出演作品 〉
    『恋と花火と観覧車』(97)、『リング』、『らせん』(98)、『リング2』(99)、『ホワイトアウト』(00)、『犬神家の一族』(06)、『眉山 -びざん-』(07)、『GATE –A TRUE STORY-』(日本語版ナレーション・08)、『ゴースト もういちど抱きしめたい』(10)、『犬とあなたの物語 いぬのえいが』(11)、『藁の楯 わらのたて』(13)、『思い出のマーニー』(声の出演・14)
  • [松宮脩平]警視庁捜査一課刑事。加賀の従兄弟
    溝端淳平みぞばた じゅんぺい
    1989年6月14日生まれ。和歌山県出身。
    〈 主な映画出演作品 〉
    『君が踊る、夏』(10)、『高校デビュー』(11)、『黄金を抱いて翔べ』(12)、『ボクは坊さん。』(15)、『珍遊記』(16)、『破裏拳ポリマー』(17)
  • [金森登紀子]看護師。加賀の父・隆正を看取った
    田中麗奈たなか れな
    1980年5月22日生まれ。福岡県出身。
    〈 主な映画出演作品 〉
    『がんばっていきまっしょい』(98)、『はつ恋』(00)、『東京マリーゴールド』(01)、『夢売るふたり』(12)、『葛城事件』、『幼な子われらに生まれ』(17)
  • [加賀隆正]病死した加賀の父・元刑事
    山﨑 努やまざき つとむ
    1936年12月2日生まれ。千葉県出身。
    〈 主な映画出演作品 〉
    『奇跡のリンゴ』(13)『駆込み女と駆出し男』、『日本のいちばん長い日』(15)、『俳優 亀岡拓次』、『殿、利息でござる!』(16)、『無限の住人』(17)
  • [田島百合子]失踪した加賀恭一郎の母
    伊藤蘭 いとう らん
    1955年1月13日生まれ。東京都出身。
    〈 主な映画出演作品 〉
    『ヒポクラテスたち』、『男はつらいよ 寅次郎かもめ歌』(80)、『俺とあいつの物語』(81)、『少年H』、『くじけないで』(13)
  • [????]
    小日向文世 こひなた ふみよ
    1954年1月23日生まれ。北海道出身。
    〈 主な映画出演作品 〉
    『清須会議』(13)、『ソロモンの偽証 前篇/後篇』、『杉原千畝 スギハラチウネ』(15)、『サバイバルファミリー』、『ラストコップ THE MOVIE』、『ミックス。』、『鋼の錬金術師』(17)
  • [????]
    及川光博 おいかわ みつひろ
    1969年10月24日生まれ。東京都出身。
    〈 主な映画出演作品 〉
    『イン・ザ・ヒーロー』、『小野寺の弟・小野寺の姉』(14)、『スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダー3号』(15)、『僕だけがいない街』(16)、『相棒 -劇場版Ⅳ- 首都クライシス 人質は50万人!特命係 最後の決断』、『サクラダリセット 後篇』(17)
  • [浅居厚子]行方不明になっている博美の母
    キムラ緑子 きむら みどりこ
    1961年10月15日生まれ。兵庫県淡路島出身。
    〈 主な映画出演作品 〉
    『パッチギ!』(05)、『おとうと』(10)、『わが母の記』(12)、『駆込み女と駆出し男』(15)、『続・深夜食堂』(16)、『関ヶ原』(17)
  • [宮本康代]スナック「セブン」のママ
    烏丸せつこ からすま せつこ
    1955年2月3日生まれ。滋賀県出身。
    〈 主な映画出演作品 〉
    『樹海のふたり』(13)、『向日葵の丘 1983年・夏』、『木屋町DARUMA』(15)、『二重生活』、『64 -ロクヨン- 前編/後編』、『TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ』(16)
  • [大林]警視庁捜査一課刑事
    春風亭昇太 しゅんぷうてい しょうた
    1959年12月9日生まれ。静岡県出身。
    〈 主な映画出演作品 〉
    『落語娘』(08)、『エクレール・お菓子放浪記』(11)、『「映画館落語 かもめ亭」第二弾』(12)、『ふしぎな岬の物語』(14)、『ママ、ごはんまだ?』(17)
  • [????]
    音尾琢真 おとお たくま
    1976年3月21日生まれ。北海道出身。
    〈 主な映画出演作品 〉
    『日本で一番悪い奴ら』(16)、『牝猫たち』、『関ヶ原』(17)、『サニー/32』、『孤狼の血』、『検察側の罪人』(18公開予定)
  • [浅居博美・20歳]美しき舞台女優
    飯豊まりえ いいとよ まりえ
    1998年1月5日生まれ。千葉県出身。
    〈 主な映画出演作品 〉
    『烈車戦隊トッキュウジャーVSキョウリュウジャー THE MOVIE』(声の出演・15)、『高台家の人々』、『MARS ~ただ、君を愛してる~』(16)、『暗黒女子』、『きょうのキラ君』(17)
  • [浅居博美・14歳]
    桜田ひより さくらだ ひより
    2002年12月19日生まれ。千葉県出身。
    〈 主な映画出演作品 〉
    『さいはてにて ~やさしい香りと待ちながら~』、『脳内ポイズンベリー』(15)、『にがくてあまい』(16)、『東京喰種 トーキョーグール』(17)、「咲-Saki-阿知賀編 episode of side-A」(18公開予定)

東野圭吾原作の同名ベストセラーを連続ドラマ化。主演・阿部寛をはじめ超豪華キャスト陣の競演が話題を呼び、 TBS日曜劇場2010年4月クールの放送で初回視聴率21.0%(同クール1位)を記録。

舞台となるのは「日本橋・人形町」。一人の女性が殺害された。その捜査にあたるのは、日本橋署に転属したばかりの新参者=刑事・加賀恭一郎。被害者の女性は、誰に、なぜ、殺されたのか…。捜査線上に浮かび上がる商店街の住人達を、1話に1人クローズアップしながら真相に迫っていくという、連続ドラマとしては非常に斬新な構成となっている。事件を解決するだけではなく、持ち前の鋭い洞察力と推理力で、加賀は人形町の人々の「心の謎」をも紐解いていく。ミステリーとしての面白さだけではなく、ヒューマンドラマとしての温かさが“泣ける”と話題になり、“泣けるミステリー”という新たなジャンルを確立した。ミステリー長編でありながら短編連作集でもあるという原作小説の妙味を十分にいかしきった傑作ドラマとして評価が高い。 DVD-BOX 発売中 発売元:TBS 販売元:TCエンタテインメント
2011年1月3日に新春スペシャルドラマとしてTBS系で放送されたシリーズ第2弾「赤い指」は、年始番組の激戦の中で同時間帯1位の視聴率を記録。「新参者」の2年前、加賀が練馬署にいた頃の事件が描かれている。

住宅街で少女の遺体が発見され、捜査線上に、ある平凡な家族が浮かび上がる。「新参者」とは対照的に、最初に犯人が提示され、加賀の鋭い洞察力と推理力により、家族の中で起こった悲劇が次第に明らかになる。そして元刑事である加賀の父・隆正が登場。事件の捜査と並行して、加賀親子の間にある深い悲しみと愛情の物語が描かれる。さらに、青山亜美(黒木メイサ)と加賀の出会いや、加賀の従弟・松宮脩平(溝端淳平)が刑事になった理由、そして加賀と松宮の“すれ違い”関係の謎など、それぞれのキャラクターのバックボーンが明かされる。“本当の家族のあり方”とは何なのか…じっくり考えさせられる奥深い作品である。 DVD-BOX 発売中 発売元:TBS 販売元:TCエンタテインメント
2014年1月2日に新春ドラマスペシャルとしてTBSで放送された「眠りの森」は、熊川哲也Kバレエカンパニーとの協力タッグにより、映像化が難しいとされていたバレエ公演シーンを完全に再現したことで話題となった。映像化されたシリーズの中でも時系列的に最も古い物語で、捜査一課時代の加賀の姿を見ることができる。

警視庁捜査一課の刑事・加賀恭一郎はひょんなことからバレエ「白鳥の湖」を観に行き、浅岡未緒(石原さとみ)が演じる黒鳥に目を奪われ、その才能に魅了される…。しかし、その公演を主催する名門・高柳バレエ団の事務所で殺人事件が発生。加賀は複雑に入り組んだ謎を、驚くべき頭脳と行動力で解決する。本作は、加賀の捜査スタイルを形成した過去が明らかになるヒントも秘められ、いつも冷静で硬派な加賀が、ヒロインに抱く恋愛的な感情を垣間見ることができる珍しい作品。加賀は才能あるバレリーナの女性たちに魅せられ、惹きつけられ、自分が紐解いた哀しき真実に苦悩するという“大人が泣ける”作品となっている。 DVD-BOX 発売中 発売元:TBS 販売元:TCエンタテインメント

2012年にスクリーンに初登場した『麒麟の翼』は劇場版ならではのスケール、豪華キャスト陣の競演も話題となり、興行収入15億円を超えるヒット作となった。

東京・日本橋、翼のある麒麟像の下で男性の刺殺体が発見される。被害者・青柳武明(中井貴一)のバッグを持って現場から逃走した容疑者・八島冬樹(三浦貴大)は逃走中に車に轢かれて意識不明の重体に。八島の恋人・中原香織(新垣結衣)は八島の無実を訴え、加賀恭一郎は独自に捜査を進めていく。推理の限界にぶつかった時、加賀は自身に問う。被害者はなぜ殺されたのか…。そして命が終わるその時に、誰に何を伝えようとしていたのか…。すれ違う心が起こした哀しき殺人事件…。“人が人を想う”優しさや切なさを感じることができる感動的な作品となっている。 DVD&Blu-ray 発売中 発売元:TBS 販売元:東宝 ©2012 映画「麒麟の翼」製作委員会

ついにこの小説が映像化されるのかと思うと、感慨深く、そして末娘を嫁に出すような寂しさがあります。とはいえ阿部さんはもちろんのこと、この役者さんたち、このスタッフならば何の心配もないと確信しております。良き作品に仕上がることを祈っています。

〈PROFILE〉
1958年、大阪府生まれ。1985年「放課後」で第31回江戸川乱歩賞を受賞し、デビュー。1999年「秘密」で第52回日本推理作家協会賞、2006年「容疑者Xの献身」で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年「ナミヤ雑貨店の奇蹟」で第7回中央公論文芸賞、2013年「夢幻花」で第26回柴田錬三郎賞、2014年「祈りの幕が下りる時」で第48回吉川英治文学賞を受賞。最新刊は「マスカレード・ナイト」。ほかに連続ドラマで話題となった「ガリレオ」シリーズなどがある。「加賀恭一郎」シリーズはデビュー2作目となる「卒業」以来30年以上書き続けている、最長のシリーズである。
東野圭吾がデビュー当時から描き続ける加賀恭一郎シリーズは、「卒業」から「祈りの幕が下りる時」(すべて講談社文庫)まで現在10作品を刊行する累計発行部数1,200万部(2017年10月現在)という驚異的な人気を誇る連作ベストセラーである。「事件によって心が傷つけられた人がいるなら、その人だって被害者だ。そういう被害者を救う手立てを探し出すのも、刑事の役目です」─この名セリフからも分かるように、加賀恭一郎は事件を解決するだけではなく、事件の裏に隠された人間たちの心情をも解き明かし、犯人の心をも解決する“人の心の謎を解く名刑事”として、ミステリーファンの中でも特に人気が高いキャラクターである。同シリーズ第8作「新参者」は、2009年度「このミステリーがすごい!」「週刊文春ミステリーベスト10」W1位受賞の快挙を成し遂げ、翌2010年、主演・阿部寛でTVドラマ化されて絶大な人気を博した。同じく日本橋を舞台にした「麒麟の翼」は土井裕泰を監督に迎え、2012年に初めて映画化された。
最新作「祈りの幕が下りる時」(吉川英治文学賞受賞作)は2013年に発売されて以来、累計84万部を突破。(2017年10月末現在)
単体のミステリー作品として楽しめるだけでなく、シリーズファンには必見の加賀自身の過去にまつわる最大の謎が明らかになる。
©東野圭吾/講談社
1986年、「卒業」で大学生として初登場。卒業後、教師になったものの退職。父親と同じ警察官となる。「眠りの森」では、警視庁捜査一課の刑事として再登場。「悪意」を経た後、練馬署の捜査一係へ異動し、「どちらかが彼女を殺した」、「私が彼を殺した」や短編集「嘘をもうひとつだけ」で活躍。さらに練馬署での最後の事件 「赤い指」を担当し、日本橋署へ異動。「新参者」より新たな舞台、日本橋で活躍。「麒麟の翼」でも、日本橋署で起きた難解な事件を解決へと導く。
そして最新作「祈りの幕が下りる時」では、加賀が自身の過去と対峙し、事件の解決と共に日本橋署を去るー

剣道六段の腕前。学生時代は全国大会で優勝したこともある。父親は元刑事の加賀隆正。母親は失踪したまま孤独死している。従弟に捜査一課の松宮脩平がいる。

本作はシリーズ完結編とも言える作品ですが、事件の謎がやがて加賀恭一郎の過去に繋がっていくというこれまでに無い展開となっています。そこを描くにあたり、色々と苦労しました。また加賀について深く描かれる作品だからこそ、改めて原点に立ち返って、加賀の人間味溢れる部分・キャラクターとしての魅力を再度掘り起こしたつもりです。
本作で描かれるのは、“親が子を想う”強い気持ちです。ドラマチックな展開の中にも、誰しもが共感できる部分がたくさん詰まっています。映画館という空間で、2時間全く飽きることなく観て頂けるように、テンポがいいけれども、余韻がしっかりと残る作品に仕上げることが出来たと思います。
〈PROFILE〉
1989年にTBSテレビに入社。その後ドラマ部に配属され「3年B組金八先生」シリーズ、「砂の器」、「さとうきび畑の唄」、「華麗なる一族」など、数多くのテレビドラマの演出を手掛ける。特に「3年B組金八先生」では、第5シリーズから第7シリーズまで35本の演出を手掛け「金八」人気の再燃に貢献した。
そして2013年に手掛けた「半沢直樹」が平成ドラマ1位の視聴率を獲得し、社会現象を巻き起こした。その後も「ルーズヴェルト・ゲーム」、「下町ロケット」など良質な作品を多数生み出し、2017年10月期の日曜劇場では「陸王」を手掛けるなど、名実共にNo1.ディレクターである。
2003年「さとうきび畑の唄」で文化庁芸術祭大賞(テレビ部門)を受賞。
2013年「半沢直樹」の演出で東京ドラマアウォード2014で演出賞、作品賞グランプリ、第78回ザテレビジョンドラマアカデミー賞監督賞を受賞。
2015年「レッドクロス〜女たちの赤紙〜」で文化庁芸術祭優秀賞(テレビ部門)を受賞。
2016年、「下町ロケット」で第87回ザテレビジョンドラマアカデミー賞監督賞を受賞。この作品で、加賀恭一郎を演じる阿部寛と出会う。
映画では、2008年公開『私は貝になりたい』で初監督を務め、本作が劇場版監督2作目となる。

これまで数々の素晴らしい映画作品の主題歌、挿入歌、テーマソングに携わらせていただきましたが、
再びこの「新参者」のしかも完結編の主題歌を担当出来ることを非常に嬉しく思っております。東野圭吾さんの原作にとても心を打たれましたが、
映画化でさらにどのような作品になるのかイチファンとしても楽しみで仕方がありません。「新参者」完結編主題歌、精一杯心をこめて歌わせていただきます。
〈PROFILE〉
2016年10月にリリースした、カヴァーアルバム「スナックJUJU ~夜のRequest~」がロングヒットを記録し、自らがスナックのママになるというコンセプトのもと、開催した全国ツアー「-ジュジュ苑スぺシャル- スナックJUJU アリーナツアー2017」は計10万人超を動員。
2017年10月10日・12日には、総勢27名によるJUJU BIG BAND JAZZ LIVE “So Delicious, So Good”を東京・大阪にて開催。
小林武史氏がプロデュースを手掛けた最新曲「いいわけ」が発売中。
2018年4月から、2年ぶりとなる全国ホールツアー「JUJU HALL TOUR 2018」(全44公演)の開催が決定している。

「東京」
¥1,280(tax in)AICL-3477
2018.1.24 Release

2010年放送の「新参者」から足かけ8年に渡り、刑事・加賀恭一郎を演じ続けてきた阿部寛に、
加賀とどう接し、どう感じているかを直撃した。

スペシャルドラマ「眠りの森」以来、3年ぶり。映画『麒麟の翼』からは、5年ぶり。阿部寛が、久しぶりに「新参者」シリーズの世界に帰ってきた。クランクインの日の様子も、まさに加賀恭一郎そのもの。堂々としたその姿は「さすが当たり役」と思わせた。阿部はフィナーレとなる『祈りの幕が下りる時』に取り組み、あらためて加賀のキャラクターについて考えたという。
「今度の作品へ臨む前に、過去の作品を見直しました。僕が演じてきた加賀恭一郎はどんな人物だったか? 原作の加賀はクールで、ほとんど感情を表に見せない。でも映像にしていく際には多少人間らしい部分を表現していかなければ、地味な映像になってしまう。それで最初のTVシリーズでは(いつも目の前で売り切れてしまって)“たい焼きが食べられない”など、そういう人間味を加えて演じました。クールさとのほどよい塩梅を模索していた。僕は演じる上で、どちらかと言えば役作りするので自分自身とかけ離れた役であればあるほど演じやすい。加賀は知的な人間で、先々を読んでいく洞察力に秀でている。けれども過去の作品を観ていると意外とアドリブで、ふっと油断しているときのほうが加賀らしい。事件に無関係な人にも、容疑者に対しても同じように接している。それも魅力のひとつかな」 
ソフトなコミュニケーション能力。そこは、阿部自身からかけ離れたものではないのだろう。これまで謎だった加賀の母親の行方、顛末が明かされる本作の展開は、阿部にとっても驚きだった。たとえば、夜の街を歩き、自問自答する姿は、アグレッシヴかつドラマティック。
「いままでは心の中を見せませんでしたから。それは初めての試みです。加賀の違う一面を出したいと福澤(克雄)監督が仰ってくれて、このシリーズに初めて携わる福澤監督なら、加賀をどう描くのか楽しみでした。そして加賀の心の中を見事に文字にした台本ができてきました。心の中を見せない男の心中をあえて見せてみる。斬新でした。同じシリーズをやっていると、役に慣れて大きく動けなくなってくるところもあります。今回の演出のなかで、どんどん加賀を壊していく作業があって、大きな刺激になりました」
福澤監督の演出はダイナミックだ。キャストのすぐそばに行って、ボディランゲージで意図を伝える。巨体ということもあり、その様はマエストロがオーケストラを指揮しているかのようなスケールの大きさがある。同時に、俳優の細やかな表現の機微をつぶさに見つめている。そして、誰よりも芝居を楽しんでいるのがこの監督だ。阿部の信頼もうなずける。今回のヒロイン、浅居博美を演じるのは松嶋菜々子。阿部とは初共演である。
「それまでお会いしたことがなくて、ドラマで見た印象しかないので“クールな人かな”と思っていましたが、大人で、物腰も柔らかで、力の入っていないすばらしい女優さんでした。
涙のシーンでも心が動いているのがよく分かる、感情から涙を流してくださったので、すごくやりやすかった。難しいこの役を松嶋さんがやってくださったので、作品がより深くなったと感謝しています」
加賀と博美の対峙は、この映画の大きな見どころだ。キャリア的にも脂の乗り切ったふたりの演じ手が、心の芝居を交わし合う姿に破格の吸引力がある。
主要舞台となる人形町、レギュラーメンバーとの再会にも感慨はひとしおだ。
「撮影で人形町に戻ると、みなさん、当時のままで迎えてくださいます。みなさん応援してくださっているんです。あと(松宮脩平役の)溝端(淳平)君がすごく成長していました。お芝居のことをすごく考えるようになっていて驚きました。(加賀の父親、隆正役の)山﨑(努)さんとお芝居させていただくのは相変わらず緊張します。でも、僕にとってもすごくいい空気感で芝居ができるんです。今回は短い時間でしたが、とてもありがたかったです。田中麗奈ちゃんが演じてくれる金森登紀子は加賀にとって特別な人。加賀にとっては唯一、甘えられる女性。大事な人なんです。すごく年下ですが、ある意味、加賀の母親代わり。それをあらためて実感しました」
日本橋署の加賀恭一郎としては本作が最終章。そこでシリーズの魅力を振り返ってもらった。
「加賀は、とても優しい人。攻撃的な捜査は決してしないし、俯瞰的に見ていく。相手に嫌悪感を与えないで、いつの間にか事件を解決していく。そのすがすがしさが加賀の一番の魅力だと思います。この作品に出会えて本当に良かったと思います。このシリーズには、凶悪犯やテロ犯、猟奇的な犯人は出てこない。そこでは誰もが何かのきっかけで犯罪に走ってしまう。魔が差すとか、そういう人の弱さ・嘘をテーマにしている。それを加賀が、犯罪者の悲しみも背負いながら紐解いていく。ただ犯人を捕まえるだけではなくて、犯人の苦悩も解決していく。だから、たぶん読後感や鑑賞後の後味がいい。なにか優しいもの……人間の心みたいなものを観た人には汲み取っていただけているのかもしれません」